長戸大幸 過去 5
まず1つ目は構成です。
今のJ-POPシーンではAメロ~A’メロ~Bメロ~Cメロ~C’メロになっていますが、この曲はAメロ~A’メロ~Bメロ~B’メロ~A’’メロとなっています。
これはソナタ形式といって、18世紀には音楽シーンに登場しており、クラシック音楽に多いスタイルです。
そして2つ目の特徴は、コード進行です。
キーはAmで、Aメロ、A’メロはそのキーで進行します。
ところがBメロではいきなりFに転調します。
そしてBメロの1小節目のコードがGm7なので、予定調和ではなくドキドキしながら聴く事になります。
さらにB’メロではEに転調します。
しかもB’メロの1小節目はF#m7なので、いきなり回転するジェットコースターみたいなスリルがあります。
そしてA”メロでは何事も無かったかのようにAmに戻ります。
実はこの転調の源流はLeon Russellの大ヒット曲「This Masquerade」にあります。
この曲は多くのアーティストにカバーされており、The Carpentersのバージョンはお馴染みです。
またGeorge Bensonが歌ったバージョンは76年にグラミー賞を受賞しており、日本では坂井泉水名義(Izumi Sakai)でカバーしたバージョンが『Royal Straight Soul Ⅲ Vol.2』(92年リリース)に収録されています。
多くの方に指示されてきた曲の良い所をリスペクトしている事で、新たな作品が生まれたのです。
- 最終更新:2016-07-06 13:59:36